ECサイトの改善方法

ECサイトの改善方法とは?改善に向けたステップや改善施策を紹介

サイトを運営しているけれど、アクセス数が伸び悩んでいて売上が伸びない
アクセス数が多いけど、資料請求や商品購入の頻度が低い
ECサイトの売上を伸ばして赤字から脱却したい

ECサイトを運営していると、上記のような悩みにぶつかる人は少なくないのではないでしょうか。
自社で改善していくには効率よく情報を収集し、基本的な内容は抑えておかなくてはなりません。

本記事では、ECサイトの改善に向けたステップやポイントなどを解説するのでぜひご活用ください。 

DMMチャットブーストではEC事業に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

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ECサイトの改善に向けた4ステップ

ECサイトの改善に向けたステップは主に下記の4つになります。

  1. サイトの課題をみつける
  2. 改善目標を数値化する
  3. 改善策を策定する
  4. 改善策の効果検証

それぞれのステップを順番に踏んでいくことで、サイトの改善を図れます。

ECサイトの改善ステップ1| ECサイトの課題を見つける

ECサイトを改善する場合、まずサイトの課題を見つけることが重要です。サイトの課題を明確になることで、その後の改善目標が立てやすくなります。

例えば、サイト課題には下記のようなことがあります。

・サイトのアクセスが少ない
・サイトのコンバージョン率が低い
・サイトのTOPからの離脱が多い

これらの課題を分析ツールなどを用いて抽出しましょう。

ECサイトの改善ステップ2| 改善目標を具体化する

ECサイトの課題が明確になったあとは、改善目標をある程度具体的にします。

例えば、具体的な目標は下記のようなものです。

・売上を前月比で20%伸ばす
・資料の申込件数を10件増やす
・売上単価を1000円アップさせる

などが、改善目標の数値化に当てはまります。

ECサイトの状況によって改善目標は異なりますが、なるべく実現可能な目標にすると良いでしょう。
目標が高すぎると達成できない可能性が高まります。

高い目標を設定していると、達成まで継続していくことが難しくなるので注意しましょう。

ECサイトの改善ステップ3| ECサイトの改善策を策定する

ECサイトの課題と改善目標を具体化できたら、次に仮説を設けながら改善策を策定します。

なぜ仮説が重要なのかと言うと、サイトの課題には複数の要因があるからです。アクセス数の不足を1つを取っても、ECサイトのSEO対策不足や新規顧客の獲得を目的としたデジタル広告の未実施など、複数の要因が絡んでいます。

客単価が低い場合でも、商品の魅力不足や、購入ページに至る導線が不適切なことなど、様々な要因が影響しています。
仮説を現状の分析ツールで解析できる場合は、仮説を検証し、精度を高めると良いでしょう。筋の良い仮説は、課題解決に有効な施策の立案に役立ちます。

ECサイトの改善ステップ4| ECサイトの改善策の実施・効果検証

仮説をもとにECサイト改善のための策を立案できたら、優先度が高い課題から改善策を実施していきます。

また、改善策の実施によって結果のデータが出た後は、検証も行いましょう。その際、改善目標と比較して分析することが重要です。ただ分析するだけでなく、結果が仮説通りだったかも見る必要もあります。

例えば、売上を伸ばすために、月間のアクセス数の増大を目標に据えていたとします。目標の達成に向け、デジタル広告を実施したのですが、広告がアクセス数に貢献していない場合は、次のアクションにつなげる必要があるでしょう。

こうした効果検証で明らかになった評価をベースに、次なる改善目標の設定、改善策の立案につなげていきます。こうしたPDCAサイクルは、週当たり、月当たりといった具合に定期的に行うと良いでしょう。

DMMチャットブーストではBtoBでECを行うことに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

ECサイトの改善でのポイント

続いて、ECサイトの改善で注目すべきポイントを紹介します。このポイントを押さえておくことで、サイトの課題をしやすくなります。ECサイトの改善に向けたステップの中に組み込み、チェックポイントにすると良いでしょう。

ECサイト改善のポイント①改善の優先度が高いページを特定する

まずECサイトの中で改善の優先度が高いページを特定しましょう。

改善の優先度が高いページは、アクセス数が多いが、コンバージョン率が低いページか、コンバージョン率が高いが、アクセス数が少ないページの2種類です。Googleアナリティクスなどの分析ツールなどを用いてこの2種類のページを特定しましょう。

 

ECサイト改善のポイント②UI/UXが適切かどうか

サイトの扱いやすさを示すUIや、サービスを通じて得られる全体の体験を示すUXが適切かどうかもECサイトの改善で大切です。
例えば、下記のようなことがあげられます。

・ファーストビューは魅力的か
・商品ページのカテゴリーは整理されているか
・商品の写真は綺麗に写っているか
・商品説明は丁寧にできているか

などです。

ユーザーが商品を購入するまでの導線に迷いがないかをチェックして、サイトを整理してみたり、商品の写真・配置を変えてみるなどしてみましょう。

 

ECサイト改善のポイント③リピーターへの配慮があるかどうか

新規顧客だけでなく、リピーターへの配慮があるサイトになっているかどうかもECサイト改善の大きなポイントです。
例えば下記のような点を気をつけましょう。

・サンクスメールの設定はできているか
・LINEやSNSへの登録を促せているか
・購入特典やクーポンなどを渡して再購入を促せているか

新規のお客さんが商品を購入してくれていたとしても、必ず再訪問してくれるとは限りませんので、上記の点は気をつけて運用してみましょう。

 

ECサイト改善のポイント④サイト速度は速いかどうか

ECサイトの表示速度の改善にも気を配りましょう。読み込みが遅いサイトは、ユーザー離脱の可能性が高いからです。
さらに読み込みが遅いサイトは、一定時間内に閲覧できるページ数が少なく、売上も伸びにくい傾向があります。

理想的なサイトの表示速度は、2秒以内です。これとは逆に、表示に3秒以上かかる場合は、4割もの人が離脱していくと言われているほか、8割もの人が、ページの表示速度が遅いと感じた場合、2度と買い物をしないというデータもあります。

Page Speed Insightsを使うなど、定期的にページの読み込み速度を測定することをオススメします。

 

ECサイト改善のポイント⑤決済手段は豊富かどうか

最近はキャッシュレス決済が当たり前になってきていることから、ECサイト上での決済手段の種類にも気を配りましょう。
クレジットカードや現金はもちろんのこと、PayPalやLINE Payと言ったQRコード決済があるのが理想的です。

クレジットの種類もVISAやMastercard、JCBといった決済方法を幅広くそろえておくと良いでしょう。


DMMチャットブーストではECサイトのマーケティングに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

ECサイトの課題を抽出できるツール

ECサイトの課題を抽出できるツールを紹介します。
いずれのツールもサイトの課題を見つけ、ユーザーフレンドリーにしていく上で必要なツールです。


「サイト流入が増えない」「コンバージョンが悪い」などの課題に直面した時に、必要なツールを選び、サイト改善につなげていきましょう。

Google Analytics

引用:marketingplatform.google.com

Google Analyticsは、Google社が提供するアクセス解析ツールです。
サイトの訪問者数や訪問者の流入経路、使用されたデバイスの種類などを無料で解析できます。

複数ある機能のうち、必須機能と言えるのが、「行動」メニューと「コンバージョン」メニューです。前者はサイト内の全てのページのPV数やセッション数、後者は会員登録や商品購入といったサイトの目標がそれぞれチェック可能であり、双方のメニューを組み合わせることで、購入したユーザーの行動と購入しなかったユーザーの行動を比較しながら改善点の抽出ができます。

Google Search Console

引用:search.google.com

Google Search Consoleは、Google社が提供しているインターネット検索の分析ツールです。
Google Analyticsと異なり、ユーザーがどのキーワードを検索し、検索結果にどのような表示がされたかなど、サイトのアクセス前のデータ取得を機能としています。

アクセス前のデータには具体的に、Google検索で検索されたキーワードやその表示回数、クリック数、平均掲載順位などがあります。
このようなデータは、Google Search Consoleでしか確認できず、集客数の改善で有効だとされています。

ヒートマップ

ヒートマップは、ユーザーの行動データ量を色で表現し可視化することで、視覚的にユーザーの行動を把握できる分析手法です。
ヒートマップによって視覚的に把握できるユーザーの行動は、ページ内のユーザーのマウスの動きやページ内でクリックされる頻度が高い場所などがあります。

これらの行動を可視化できるため、ECサイトのデザインの改善がしやすいのです。
ヒートマップで使用できるツールは、ミエルカヒートマップやUser Heat、Mouseflowなどがあります。

 

Page Speed Insights

引用:developers.google.com

Page Speed Insightsは、Google社が提供するツールで、Webページのパフォーマンスを把握する際に使います。
スコアは「速い」(スコア90〜100)「平均」(同50〜89)「遅い」(同0〜49)の3段階であり、それぞれ速い順番に緑、オレンジ、赤で表現されます。


このほか、全てのページの速度の判定を閲覧できるフィールドデータのほか、入力の推定待ち時間やCPUの初回アイドル状態の時間などを把握するラボデータなども表示され、総合的にサイトの状態を調べられるようになっています。

Page Speed Insightsで問題ないと判断された項目は、合格した監査で閲覧できます。

 

課題ごとのECサイトの改善施策

ECサイトの改善策は、顧客の購買行動のステップごとに施策を切り分けて考えると整理がしやすいです。ここでは、課題に直面しやすいステップごとの改善策を紹介します。それぞれで具体的な内容を明記しましたので、課題のフェーズごとに実践してみましょう。

ECサイトの改善施策①顧客に存在を知られていない

ECサイトで買い物をしてもらうためには、まず、顧客にECサイトの存在を知ってもらわないとなりません。
集客面で困った場合の改善施策は、SEOや広告、SNSでの情報発信など複数あります。

SEOでは、タイトルやディスクリプションの最適化による内部SEOのほかに、ユーザーが共感しやすい情報を発信して検索流入を増やすコンテンツSEOがあります。

コンテンツSEOは、同じ価値観を持った人にフィットするため、見込み客の獲得をしやすいです。
最もコンバージョン率を高められる商品の選び方の記事を発信するなどし、サービス訴求を図ると良いでしょう。

広告は、インターネット広告として、最も費用対効果が高く、コンバージョン件数が取れるリスティング広告があるほか、SNSは、TwitterやInstagramなど多様な手段があります。
最適な方法を選び、検索流入の獲得やコンバージョン率の向上につなげていきましょう。

ECサイトの改善施策②商品を見つけづらい

ECサイトの売上をあげるためには、商品の探しやすさも重要です。
商品を見つけやすく・買いやすくするためには、サイトの構造、サイトマップに気を配る必要があります。

具体的には、ロングテールSEOをベースにしたサイトマップ構成にしましょう。
ロングテールSEOをベースにしたサイトマップ構成は、商品のカテゴリーを細分化して表示することです。

例えば、家具を扱う場合、「カーテン」や「ソファーカバー」といった大きなキーワード方ゴリ分けを更に細分化していく、というイメージです。例えば、「カーテン」を「135cm」や「140cm」に細分化するほか、長さごとに分けられたカーテンをさらに色で分けてカテゴリにまとめていきます。

こうすることで、「カーテン 200cm 青」といったニッチなキーワードで検索した時にGoogleで掲載される順が上がりやすくなり、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。

このほか、商品購入への導線であるボタンを常に見える位置に配置するほか、型番で購入するような専門性の高い商品は、写真1枚とスペックでおさめるようにしましょう。

ECサイトの改善施策③怪しいと思われている

せっかく商品を見つけてもらっても、安心できるECサイトでなければ、顧客は購入には至りません。
サイトの信頼度を向上させる必要がある場合は、商品への信頼度が低く、離脱する可能性が高いことを意味しています。

このような離脱を防ぐためには、まず商品情報をより詳しく記載し、ユーザーに納得してもらう必要があります。
商品の素材へのこだわりや効果、体験談などの情報を記載し、商品のメリットを裏付ける情報をアピールしましょう。

このほか、ユーザーの信頼を得るためには、コンテンツだけではなく、返金保証や定期購入の導入、FAQページの作成による安心感、お得感も重要な加点要素です。


こうした細やかな配慮は、ユーザーが商品購入に踏み切る上で重要なポイントとなります。

ECサイトの改善施策④カートに入れた商品が購入されない

ECサイトの改善でかご落ち対策は重要です。
カゴ落ちとは、サイト訪問者が商品をカートに入れたのにもかかわらず、購入しないままサイトから離脱する状態です。

発生要因にはサイト訪問者に購入の意思がないことや、送金・手数料などの追加費用が高いすぎることなどがあり、それぞれの要因に沿った対策が必要となります。例えば、かご落ちした顧客にフォローメールを送り、ECサイトへ呼び戻す方法が有効です。

顧客が送金・手数料などの追加費用が高いと考えている場合は、商品画面で事前に費用総額をわかるようにする方法が有効となるでしょう。以上のようなかご落ち防止対策には、かご落ちした顧客にメールを自動配信するMA(マーケティングオートメーション)ツールCART RECOVERY(カードリカバリー)などがあるため、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
 

ECサイトの改善施策⑤ユーザーの嗜好に合った商品を提案できない

ECサイト上の商品の中から、自分好みの商品を見つけ出すのは、そのECサイトを使いなれていない顧客からすると、大変難しいことです。そこで、役立つのがレコメンドエンジンです。

レコメンドエンジンのアルゴリズムを最適化すれば、ユーザーの嗜好に合わせた商品を表示することができます。
サイトの運営が順調になってきて、購入率をあげたい場合や、顧客単価を伸ばしたい場合に最適な戦略だと言われています。

レコメンドエンジンには、決まった行動を取る人に特定の商品や情報を提供するルールベースレコメンドエンジンや類似性の高いコンテンツ、商品を提供するコンテンツベースレコメンドといった機能が搭載されており、ユーザーは適切な商品情報を受け取りやすいです。

費用対効果と照らし合わせて有効だと思えた場合、導入すると良いでしょう。

ECサイトを改善させた事例

最後にECサイトをオペレーションなどを改善し、業績向上につなげた事例を紹介します。

2社とも、上場企業と上場企業の関連会社の事例ですが、cymaは商品に出荷にかかるサプライチェーンの改善、cottaはコンバージョン獲得に向けたサイト改善に取り組むなど、それぞれの事例は汎用性が高いものとなっています。

ECサイトの改善事例①エイチームのcyma

引用:cyclemarket.jp

総合IT企業エイチーム傘下のエイチームコマーステックは、自動車専用ECサイトcyma-サイマー物流オペレーションと、仕入れ・物流・販売にかかるサプライチェーンを改善させて売上向上を図り、同サイトの初の通期黒字化を達成させています。

同社は具体的な取り組みで、cymaの在庫数を7000台まで抑える在庫の適正化を推進したほか、品ぞろえの見直しも行いました。
商品の仕入れ、販売から整備、出荷に至るサプライチェーンも、チーム連携を強めることで、入荷から出荷までの時間短縮、コストの最適化につなげています。

同社は今後、cymaで築いたビジネスアセットを生かし、2021年8月にリリースしたペットフードEC「Obemo(オブレモ)」など複数のEC事業に力を入れるとしています。

ECサイトの改善事例②cotta

引用:cotta.jp

製菓・製パン用の材料やレシピを取り扱うcottaは、運営するECサイト「cotta」の認知度拡大に向けたテレビCMによるマスマーケティングを展開し、BtoC事業の新規会員を1年で49万人に増やすなど、業容を大幅に拡大させました。

同社は、テレビCMによりcottaの認知度向上やアクセス増加につながったことを受けて、コンバージョン獲得に向けた施策を実施。
具体的にはユーザーの行動ログをAI(人工知能)が解析し、サイトの特性に応じた検索結果を提供するNTTレゾナントのgoo Search Solutionを導入し、コンバーションに直結する広告のクリック率を右肩上がりに改善させています。

さらに、同社はユーザーごとに検索結果を最適化するパーソナライズ機能をECサイト内に導入し、個人ユーザーや個人店、法人会員など各ユーザーに適した情報を提供しています。

ECサイトはPDCAサイクルの徹底で改善できる

離脱率が低かったり、回遊率が高いなどの自社ECサイトにするには日々の改善が不可欠です。さまざまな改善案を試みても、ECサイトの肝になるリピーターの獲得や集客でつまずき、思うような成果を得られない場合があるでしょう。

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DMMチャットブーストではECサイトを構築する際の比較ポイントECサイトの構築費用に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

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